カメラには絞り シャッター速度 ISO感度の3つの設定値があります。
写真はこの3つが無いと成り立ちません。
昔はフィルムを、今は撮像素子に光が当たる事で写真が生まれます。
その光がどのように当たるか。
絞り
シャッター速度
ISO感度
この3つの組み合わせによって光がどのように当たったかで写真の明るさと写り方が変わります。
前回まででこの3つの要素、
この3つについて紹介を行いました。
今までの画像をもう一度まとめとして記載します。
絞り
シャッター速度
ISO感度
全ての画像には左側(明るい方には)10、右側(暗い方には)0.1…
と記載していました。
この数値はおおよその数字と思っていただけたらと思います。
さて今から撮影の設定値のお話をしますがまず先に・・・・
少し数学のお話になります。
a+b+c=10
組み合わせはたくさんありますよね。
a=4 b=4 c=2
a=1 b=8 c=1
a=5 b=0.1 c=4.9
このabcが3つの要素、
絞り
シャッター速度
ISO感度と置き換えて考えてみてください。
絞りとシャッター速度と絞りの値が10になれば良いです。
3つがないと成り立ちません。
なので0はありません。その為0.1…と記載しました。
この組み合わせ、設定値はたくさん考えられます。
〜いまいち分かりにくい方、数学が苦手な方へ〜
カメラをオートモードにしてカメラを色々な所に向けてみてください。
3つの数字はコロコロ変わったと思います。
この数字が変わっていること=カメラの設定値、10になる組み合わせをカメラが計算してくれている証拠です。
オートモードと言いますがカメラが頑張ってくれているという事を覚えておいて下さい。
今から例を交えてカメラがどのように考えているか。
どのように明るさを一定にしているかを紹介します。
なんとなくカメラがどんな風に機能しているかを理解・・・と言うか把握していただければと思います。
最初の設定値(以下、Aの設定値と呼びます。)
絞り F5.6
シャッター速度 1/160
ISO感度200
と表示されたとします。
※少しカメラを横に振るとカメラの設定値、数字は変わります。
そこからISO感度を200から3200に変更したとします。
そうすると明るくなった分シャッター速度を速く(暗く)してシャッター速度が1/1000となります。
それによりできた設定値を以下、Bの設定値と呼びます。
Bの設定値
絞り F5.6
シャッター速度 1/1000
ISO感度 3200
次にAの設定値から絞りをF11に変更したとします。
絞りが暗くなった分シャッター速度を遅く(明るく)してシャッター速度が1/15となります。
それによりできた設定値を以下、Cの設定値と呼びます。
Cの設定値
絞り F11
シャッター速度 1/15
ISO感度 200
どれかが明るく(暗く)なったら他のどれかが暗く(明るく)なるようになっています。
別の言い方をすると
どれかが左(右)に移動したら他のどれかが右(左)に移動します。
更に数字も交えてお話しすると
どれかが10に近づいたら(数字が増えたら)他のどれかが0.1に近づく(数字が減る)
と言う事です。
次にこの3つの設定をこの表に当てはめて見ます。
※最初の表の左側が三角形の先端、右側が三角形の中央になるように当てはめた表です。
先程の説明より3つの設定値、三角形の大きさは全部同じです。=明るさは同じです。
ですが設定値が異なるので写り方は違います。
特徴はそれらの先端、中心に行けば行くほどそれぞれの特徴が目立ちます。
まとめとして呼び方とその特徴についてをまとめた表も記載しておきます。
詳しいそれぞれの特徴については個々の紹介よりご確認ください。
三角形の先端(明るい)、中央(暗い)にある時はどのような効果が現れるかをまずは言葉で暗記しても良いですが実際に写真を撮りながら理解して貰えたらと思います。
百間は一見にしかずです。
・・・さて設定値は写真の特徴を反映させる為にとても大事な物だとご理解いただけたでしょうか。
とりあえずカメラの機構と仕組み、オートモードでもどんな風に考えられているかを少しは理解できたかと思います。
〜捕捉として紹介〜
Aの場合、
ISO感度が200なので画質は良いです。
絞りは5.6なのでボケすぎず適度にピントがきます。背景までくっきりでもなく・・適度に合います。
シャッター速度は1/125なので普通に撮る分には問題なく撮れる設定値です。
Bの場合はISO感度が3200です。なので画質は少しザラザラになってしまいますがその代わりシャッター速度は1/1000なので速い物をピタッと止める事が出来る設定値です。
Cの場合は絞りが11なのでピントがしっかりと合わせる設定値ですがシャッター速度が1/15なので被写体が少しブレてしまう可能性があります。
3つの設定値だけでも個性が出ているのがわかったかと思います。
今回、例で3つの撮影設定値を挙げました。
ですがそれが設定値は適切かどうかは分かりません。
適切な設定値の定義をしておきますと
自分が望むF値 絞りピントの合う範囲
自分が望むシャッター速度 被写体がブレているか止まっているか
自分が望むISO感度 画質
全て条件が整った場合、自分が望んだ設定値とします。
ただ基本はオートモードで撮影する方がほとんどです。
カメラが言うこと聞いてくれるかと言えばそうではありません。
。。。となると自分が望む設定値にするにはマニュアルモードで撮影しなければならないと言う訳ではありません。
オートモードでもそれはある程度コントロールする事ができます。
もう一度書きます。
カメラは明るさを決めてくれます。
オートモードの場合はカメラ任せです。
とても便利です。
便利な反面・・・時には失敗します。
カメラは明るさを決める為、設定値を作りますがそれが撮影者自身の
望む設定値とは・・・限りません。
その理由にはいくつかありますが。。。
カメラはその場の光を受けて明るさを計算しているだけで今お花を撮影しているのか。走っている人を撮影しているのか。猫を撮影しているのかは基本的に判断できません。
(最近のカメラは顔認識の技術が出来たりしましたがカメラにAI機能が搭載されない限りは難しいと思います。)
その場に座り込んでいる猫を撮影する適切な設定値と
歩き出した猫を撮影する適切な設定値は・・・違いますよね。
座っている猫を撮影した時はブレずに撮影できたとして歩き出した猫を撮影した時はブレてしまったとします。
この時、失敗したとします。
失敗したのは誰のせいでしょうか。
カメラでしょうか。
自分でしょうか。
残念ながらカメラは機械です。
AIが搭載されたカメラが発売されたら失敗した時はカメラのせいにしても良いですが現状2019年現在は自分のせいだと言うことにしておいてください。
いつもはオート(カメラ任せ)で撮影していて満足していて失敗した時にカメラのせいにするのは少し可愛そうだと思いませんか。
カメラがどう考えて撮影の設定値を導き出したか。
前回までの内容と合わせて考えてみてください。
と言ってもいきなり考えるのは難しいです。
背景はどこまで合わせたいか。
被写体の動きを止めたいのか流したいのか。
周りの明るさはどれくらいか。
これから少しずつで良いので意識して撮影をしてみてください。
最後に2つ表を紹介してこのまとめ1を終わりたいと思います。
表から数字を除いたものです。
露出の話だけで撮影モードのお話や露出補正のお話もまだこのブログでは紹介していないのにいきなり露出の決定までお話ししているので難しいかと思いますが・・・この内容は理解することが出来ればどんな場面でも活かすことができるようになります。
先にも書きました百間は一見にしかず。
カメラ任せにするのも良いですが理解を深める為にマニュアルモードで撮影するのはしんどいかもしれませんが上達の近道かもしれません。
もちろんマニュアルモードでなくオートモードでしっかりと自分の思い通りの撮影が出来るよう次回以降紹介出来ればと思いますので次回の更新までしばらくお待ちください。
最後に
※この三角形にそれぞれの数値を記載して設定値を取り込んだ三角形については今後このブログでは何度も紹介する予定です。
三角形の紹介もまた改めて解説も致します。
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